麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす! Move Japan forward from 九州! (53)
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 先日東京で第3回 患者安全サミットが開催されました。欧州勢が主力の会議で1回目はロンドン、2回目はベルリンでした。日本のカイゼン活動をベースに患者安全を実行している飯塚病院も厚生労働省から発表する機会を頂きました。私は10分位のプレゼンでしたが私の思いや経験、そしてカイゼン活動による患者安全の数字を出して発表しました。英語でスピーチをする良い機会となり、準備をかなりしました。

 最初に、私はビジネスマンであり曽祖父が開設した病院を経営していることを話しました。というのも、サミットの分厚い会議資料を見ると、参加者のほとんど全員が医療関係の学者さんか医師や医療スタッフの方々で、経営者というのが見当たらなかったからです。

 私は、患者安全に関しても日本のカイゼン運動は非常に有効であることや、病院マネジメントの無駄を減らすこと、患者第一の文化を持つこと、カイゼン活動で明るい職場を作るということの大切さを話しました。この会議で勉強になったのは、もっと病院のマネジメントという切り口で病院全体の流れを見ることが非常に大事であるという点です。学者さんや医師は今までの研究事例との比較やそれらに対する改善提案などの研究を主たる発表のポイントにされているケースがほとんどであると思いました。私はむしろ、院内のスタッフが一つの大きな共有する目標を持って病院運営をすることで患者安全を含む重要な課題や目標の達成が出来るという切り口で話しました。全員参加型の運営スタイルが大事だという話をしたら、思わぬ反応が会議のリーダーのお二人から個別に出てきて、「スタッフの経営参加、安全意識から来る自発的な発言や行動が如何に重要な点であるかが実に興味深かった」と言われました。

 特にその中の一人はアメリカの医療改革を担当されてきた方でしたが、親切にも、私が考えるマネジメント向上による病院改善について話をしてくれました。
 丁寧にメモ紙に boundaries(壁、縦割り行政) ▲好圈璽匹梁臉擇機´unconditional team work (チームワークづくり) innovation (改革) customer focus (顧客第一) と書き、彼はこの五つが、担当する行政スタッフに対して最も大事にしてもらいたいポイントだと話しました。そして、「あなたはこの中で役所が一番抵抗するのはどのテーマだと思いますか?」と私に質問しました。私が分からないと答えると、「それはい痢慍革』なのです。自分は多くのスタッフを持ち、大統領から大きな権限と機会を貰って医療行政を担当してきましたが、役所はこの『改革』の壁が厚いのです。麻生さんはまさに同じ課題に直面しているので大変でしょう」ということを指摘されました。

 私は飯塚病院で成果が出ているマネジメント方式が幅広く広がり、病院勤務者がもっと明るく、カイゼン活動を通して働きやすい職場となり、患者満足も向上して自ずと経営者のストレスも減るという流れの事例発表をしていくことで、お国に対しても、そして医療スタッフにも役立つ情報をこのローカルの地から発信していきます。

2018.05.14

麻生 泰