麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす! Move Japan forward from 九州! (42)
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 11月の初めに、熊本県で九州地域戦略会議が開催されました。この会議は、九州経済連合会、九州経済同友会、九州商工会議所連合会、九州経営者協会の四団体の長と、九州の七県と沖縄県、山口県の県知事クラスが一同に集まります。九州の経済力やブランド力向上に役立つ活動を如何にするのか等を語り合える貴重な場です。聞くところによると、こうした全県知事が定期的に集まって語り合う地方は少ないということです。九州のこのような官民一体となった戦略的かつ効率的な広報や経済活動の方針を検討する場は、非常に貴重な財産だと思います。同時に、会議で検討された方針については、効果的な活用が求められる大事な機会でもあります。

 今回は、特に多くの攻めの広報活動に繋がるアクションプランが検討され、かつ決定まで進展しました。2019年にラグビーワールドカップが開催されますが、大分県、熊本県、福岡県の三県が開催地であり、この大会の観戦に来日する世界各国のラグビーファンは自国の試合を応援するために、比較的長期間滞在してくれます。したがって、開催県だけではなく九州を周遊してくれる予定を組んで来日することが期待されます。ラグビーの試合は毎日することは出来ませんから、この開催期間中に香港や台湾、韓国への旅行プランを持って、欧州、豪州からも九州に来られる方々が多いと思います。
 また、来年は女子ハンドボール世界大会が熊本県で開催されます。こうした大きな国際試合が決定している中、各県がそれぞれ単体で企画立案するよりも、各県のリーダー自らが他県と連携して動き、オール九州として広報活動をする方が効率的です。そこで、官民ともに一緒になって行動し、九州は一つというイメージを前向きに進めようという思いでまとまり、今回は具体的な対応策が複数生まれました。
 そして、この流れは2020年の東京オリンピック、パラリンピックに繋がっていきます。せっかく極東の日本まで来るのですから、東京や京都に行くばかりでなく、噂に聞く阿蘇のパノラマ、温泉が多い九州、風光明媚でコストも低い九州にまで足を延ばすという思いを持ってもらうための下準備を、行政のトップの方々と私たち経済界でオール九州として実行していく具体案も今回の会議の成果として幾つか出来ました。

 経済界側としては、インバウンドへの取り組みは実に大きなビジネスチャンスで、九州観光推進機構が観光事業は一つの大きな基幹産業にしていけると3年前くらいに発表されました。その時は私自身も基幹産業と言えば、石炭、製鉄、自動車そして半導体産業などのハードのイメージを持っていただけに「そうなるのか?」と思っていましたが、今や、毎年インバウンドは30%前後の伸びを示しています。2016年だけでも、国内外からの観光客が消費してくれる額は2兆4千億円で、6年後の2023年にはそれが4兆円になると推定されています。1兆6千億円が新たに生まれるのです。

 世界大会の多くが来年から九州で、そして日本で開催されるにあたり、「九州は一つ」としての広報活動のアクションプランは重要です。そしてこの分野のビジネスチャンスは、思っている以上に巨大なものです。新しい切り口、新しい目で、そして若い世代の想い、工夫で是非尖がらせましょう。世界遺産の認定も数多い九州各県の観光業が力をつけ、九州から日本を動かしていきましょう。

2017.11.17

麻生 泰