麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす! Move Japan forward from 九州! (40)
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 都会におけるこれからの課題の一つとして、医療と介護の施設不足が挙げられます。そして、その大前提となるスタッフの不足が大きく注目されています。
 私は、家業が炭鉱時代の100年前に開設していた病院を経営しています。この飯塚病院を住み続けられる街、飯塚の魅力の一つ、尖がりの一つにしようと考えています。

 看護師やリハビリスタッフは70歳代後半になっても、在宅医療や在宅介護の現場で働くことができます。ストレスの多い病院や人間関係から離れ、訪問看護・介護スタッフとして高齢者の家を週2、3ヶ所訪問することで、学習を続けながら収入も得ることができ、自ずと健康を維持することもできるのではないでしょうか。
 それを実現するためには、定年後に向けた準備が必要です。現役時代から在宅訪問看護や介護を経験し定年後の準備に取り組んで貰うようにしています。

 病院内の勤務では上司の指示で動きますが、訪問先の現場では自分自身で判断し処置するという対応が求められます。現役時代からこのような学習をすることで経験を深め、準備をして退職の時を迎えることが出来ていると、明るく日々を過ごした上で、第二の人生の新たなスタートが切れると思います。
 また、病院勤務では味わえない患者さんの家族とも密着した人間関係、信頼関係が必要となり、温かいほのぼのとした雰囲気が患者さんの家族との間で生まれる機会もあると思います。生涯学習、生涯現役、生涯収入という道を確保することで、医療スタッフはプロとしての使命感を持ち続けることができるので、この世界に入るというのも魅力の一つだと思います。

 生涯の仕事を持つ魅力と将来性を考えると、これはビジネスとして非常に明るいことです。国は在宅医療や在宅看護へと導いています。国にとっては、患者がコストのかかる病院に長期間入院するよりも、自宅に戻り、医療スタッフに訪問してもらう費用を負担する方がコスト面で安くなります。  従って、これからは、こうした病院や医療費のかかる施設から自宅へ戻る在宅医療や在宅介護への誘導策が出てくると思います。
 その点、地方には受け入れる自宅のスペースが残っています。定年後の医療スタッフは都会よりも多いはずです。ご近所との人間関係も都会にはないものが存在しています。

 この流れを作ることで、飯塚市は高齢者が住み続けられる街となるでしょう。医療や介護に関するネットワークや文化を作ることで、全国でも進んでいる在宅医療・在宅介護の一つのモデルとして、九州の地方都市から発信していきたいと考えています。
 地元に魅力をつけていくことは現役のやりがいであり、責任だと思います。政府は、このような地方の良いケースを大いに期待しているのです。そして、高齢者社会を後追いしてくる、中国、韓国をはじめとするアジア諸国も参考にしていくのではないかと思います。

2017.10.10

麻生 泰