麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす! Let's move Japan forward from 九州! (30)
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 現在、私たちを取り巻く環境に明らかな変化が起こっています。一例を挙げると、国や自治体が意欲的に規制改革に動き始めたことです。具体的なケースで申しますと、今、福岡空港は大改装をしています。5年越しくらいの大型工事です。

 九州経済連合会は、九州から日本を動かすという使命、「Let’s move Japan forward from 九州!」をスローガンに活動を展開しています。その活動の柱のひとつとして、農水産物の海外輸出の実績を上げ、第一次産業の売上高と生産者の収入の増加を目指しています。そして、その延長線上には、農水産業の活性や家業の収入が伸びていくことを目の当たりにした次世代の若者たちが、地方に明るい将来性を感じて東京から地元に戻って来るという流れを作ることです。その流れを地方創生に結びつけたいと真剣に考え、努力しています。

 農産物は順調に海外に出荷していましたが、昨年夏の航空便による輸出の際には、福岡空港税関の保冷設備が不十分の為に、桃などの果物や野菜が摂氏40度という高温にさらされてしまい、多くが傷んでしまいました。
 今年度の補正予算では、当初改装予定に入っていなかった生鮮品の保冷能力を改善してもらうようにお願いしています。しかし、工事が完了する来年までの今夏をどう乗り切るか?

 空港設備そのものは国土交通省が管理しています。通関施設は財務省、農水産物は農水省の管理です。そして輸出がらみなので経済産業省との交渉も入ります。要は新しい空港設備が完成する来年の夏前も今と同じ状況のままであれば、暑い時期には福岡空港から農産物の輸出はできません。各省庁が縦割り行政のままであったなら、決して動かなかったかと思います。しかし、動いてくれたのです。経済産業省の担当者が他の省庁との調整を重ね、纏めて下さいました。先日、国土交通省の担当政務官からお手紙で、今年の夏用の対策も考えて実行するというお知らせを頂きました。

 国を挙げて、第一次産業を活性化させようという意気込みが現場まで浸透しているのです。嬉しい変化を私たち担当者は感じました。これまでの省庁はできない理由を整然と説明しているのが常でしたが、少しずつ変化が起きています。しかし、これは非常に恵まれたケースだとも思います。通常は、今までよりもこうして前進していますという報告だけで、今後いかにして海外との差を縮小していくかというビジョンを伺うことはできないのではという説明、報告が多いと思います。

 省庁が少しずつ変化してきている例をもうひとつ挙げます。先月マレーシアに行った際に、とある九州の企業の方が現地政府の動きの遅さについて陳情しました。その際に、日本の外交官の幹部の方が「自分の友人関係のルートを使って促進するように動きます」と言われました。私は本当に驚きました。外交官がビジネスの推進に進んで協力するというコメントを貰ったことが今まで全くなかったからです。

 こうなってくると、いよいよ私たちビジネスマンは動かない、できない理由をとやかく言っている場合ではありません。役所と一緒になって国益の為に動くタイミングが到来しているのです。数年前の先輩たちの努力に比べれば、周りを動かすのは現役の我々にはかなり楽な状況になっているはずです。こうして役所が動き出し、政府が改革のための法整備をしていく姿勢を示してくれているのですから、この「九州から日本を動かす!」というテーマにふさわしい実績を出せるように、私たち九州の皆で努力していきましょう。

2017.04.25

麻生 泰