麻生泰のメッセージ

与えられた一度の人生 グローバルシティズンづくり 
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 10年近く前にこのテーマについて話し始めた時から、今や多くの組織がグローバルシティズンづくりの方向性を強く打ち出してきています。『グローバルユニバーシティー』という表現まで出てきています。

 さて、そう言う私自身はグローバルなシティズンなのかというと、どうでしょうか。少々疑問を感じますし、まだまだ未熟さを感じています。

 実は、昨年末に金融やビジネスをテーマにした海外での国際会議に、パネラーの一人として登壇しました。自分の能力、知識の低さは自覚していますが、このような会議に、ある組織のトップが私に声を掛けてくれたのですから、一つの与えて貰った機会だと思い、お引き受けすることにしました。

 しかし、事前に送られてきた討議のたたき台を見て、これはまずいと思いました。かなりレベルが高く、理解できない内容も多くありました。友人たちに相当迷惑をかけ助けて貰ったお蔭で、当初は討議テーマの背景を読み取れなかった部分も少し理解した状態で準備を進めることが出来ました。3時間のパネルは何とか乗り越え、自分なりの満足感を得て、成長の機会と納得出来ました。

 しかし、英語でのコミュニュケーション力や理解力の向上の緊急性を強く感じましたし、何と言っても自分の視野の狭さを感じました。無知に近い分野で、今の世の中のリーダー達が悩んでいる問題の大きさと多さを知り、自分自身は少々英語が分かり、話せるだけのリーダーの一人であることに過ぎないことが良く分かりました。

 世界の大きな社会問題にはもう少し関心を持ち、意見を言えるような知識や常識を持つ。例えば中近東での話題は欧州人たちにとっては実に身近なだけに、良く現状を知り、真剣度や深刻度の大きさを感じました。日本人のリーダーの一人として、私はこのような現状に対する認識が著しく低いことを自覚し、この会議を機会にもっとこのようなニュースを真剣に読まなくてはならないと思いました。

 語学力はグローバルシティズンの大事な一つの条件だと思いますが、それ以上に一般常識、歴史、文化に関して日本はもとより海外のことを学び、語れなくてはならないでしょう。歴史に対する知識や理解が無ければ、同じ間違いを繰り返しますし、人との会話にも内容に深みが出ないと感じます。

 相手の立場になって考える。その現場を明るくしていくという作法はかなり今までに教わり身についているとは思いますが、英語力向上を中心に一般常識のレベルを上げていくというのは、実にこれからの勉強課題として残されています。
 自分がグローバルシティズンになっていくという事は生涯の課題として持ち続ける大仕事です。また、この教育テーマを周りの人たちにもその気持ちになって貰う活動は、一度の人生のライフワークの一つとして、私に与えられた大事業なのだと感じています。

2015.01.21

麻生 泰