麻生泰のメッセージ

九州から日本を動かす! Let’s move Japan forward from 九州! (16)
  • 著作紹介
  • バックナンバー
  • PDFファイル
 NATO ― No Action Talk Only ― の文化は国内にも存在しています。基本的に動きたくないのか、このままで良いと思っているのか、地方都市のビジョンづくりにも何かスピード感がありません。
 国の地方創生ビジョンには、地方に対する強い期待感が込められていると思います。地方都市にとっては大きなチャンスです。このまま大都市に人口が集中していくと大変な医療及び介護問題が起こると言われています。大都市には高齢者が増え続け、受け入れる医療機関や介護施設がパンクします。またこれらのスタッフも不足するという大問題が目に見えるようです。

 地方が魅力あるビジョンや可能性を示して動きだし、そしてその動きに明るい兆しが見え具体的な数字の伸びがともなってくると、もっと次世代が地元に帰ってくるはずです。
東京や大阪などの大都市で生活していて幸せですか?大都市で働き地方より高い収入を得ても日々の生活を楽しんでいますか?たとえ高収入を得ても地方より多くの生活費がかかる都会でお金は貯まりますか?通勤にどれ位時間をかけているのですか?子どもたちと自然に親しむ時間が取れますか?

 しかし一方で、地方都市としても次世代や地元出身者が戻って来る気になる受け皿、すなわち魅力も先行きも明るさを感じさせる雇用先を確保できるでしょうか。
 磨り減る思いをして働いている割には可処分所得もそう多くない都会での生活に見切りをつけて、息子が家業を営む父親の後を継ぐために、都会との様々な格差を考えてもなお地元に戻って働きたいという気持ちになり、大事なお嫁さんを説得できるほどに引き付けられる将来性や可能性を地方都市は持ち合わせているのか。商売の先行きを悲観している父親のぼやきをいつも聞かされていたら、いつまでたってもその踏ん切りはつかないのではないかと思います。

 各地の市町村がそれぞれ一丸となって各々の将来像を考え、魅力を高め、国がリードしている地方創生の流れの先頭を行くような気概を持って、それぞれの現役リーダーたちが考えを発信していくことが大事です。そのためにも、将来性を感じさせるビジョン、アクションプランを早く作ることです。NATO気質そのままに、いかに難しいか何が足りないかの分析に時間をかけ、できない理由を述べるのではなくて、この地方創生という地域間競争に自分たちの街が勝ち残るという気概、意欲ある現役人を九経連はリードしていきたいと思います。

 国は、地方創生を実現する可能性がありそうで、なおかつ全国のモデルケースになりそうな首長がいる地方都市に対象を絞り、限りある予算を投入します。そのためには、どこにも負けないくらいに尖ったビジョンやアクションプランが必要です。
 地域間競争の中でこのテーマは実にやりがいと可能性に富み、現役リーダーたちには責任を持って挑戦して欲しい課題です。
 第一次産業にはその可能性を私は感じます。  

2016.09.05

麻生 泰